霜月まつりの様式
遠山の霜月祭りは、長野県飯田市上村・南信濃の、いわゆる遠山郷とよばれる一帯に分布している湯立て神楽の祭りです。
その名のように、旧暦の霜月(11月)、現在では新暦の12月に、集落ごとの神社で開催されます。
祭りは、地域によって釜の数、笛や銅拍子の有無、祭りの内容、面の構成などが異なり、大きく4つの系統(タイプ)に区分できます。
祭りの広がり方や地域の事情を反映して変化してきた結果生じたものと考えられます。
遠山の霜月まつりは、使用される面の構成から、南信濃で2タイプ、上村で2タイプ、合計大きく分けて四つのタイプに分けられます。
木沢の霜月まつり
集落ぐるみの祭り
南信濃には、湯立神楽を行っている神社が九社あります。
そのうち旧木沢地区に六社があり、三社が和田を中心としています。
木沢方面の祭りは各集落毎に行われ、自治会あげての祭りとなっています。
四面(よおもて)の登場
遠山の霜月まつりの後半には、各神社に保存されている面(オモテ)が登場します。この面の中で、一番人気があるのが、四人の若者たちが荒れ狂う四面という面です。この四面は和田方面の祭りには登場せず、木沢を中心とする祭りの特色となっています。
祭りのはやし
和田方面の霜月まつりのはやしは太鼓だけなのに対し、木沢方面の祭りばやしは、それに笛が加わります。従って、和田の神楽舞は総じて動きが激しく、木沢方面の舞は、全体がゆるやかで優美なものとなっています。
和田の霜月まつり
和田諏訪神社の湯飾りと釜の配置
かまどはなく、鼎に大釜1つをかけます。